「一度は現場を離れたものの、薬剤師として復職したい」。そんな方におすすめなのがパート薬剤師の仕事です。パート薬剤師は正社員より労働時間が短く、時間外労働もないことが多いので、自分の時間や家庭と無理なく両立できるというメリットがあります。ここでは、パート薬剤師の業務内容や収入、扶養の範囲内で収めることが可能かどうかについて解説します。
意外と多い!パート薬剤師の求人
薬剤師不足と言われる近年、正社員より短い時間で勤務する「パート薬剤師」を募集している調剤薬局やドラッグストアは数多くあります。
ドラッグストアでは、薬剤師の不在時はOTCの要指導医薬品や第一類医薬品の販売ができないものの、「できるだけ穴を開けたくない」「常に薬剤師を配置しておきたい」と考える企業は少なくありません。そのため、スタッフの入れ替わりの時間、休憩時間などの短い時間に働けるパート薬剤師が求められているのです。
また、業界全体が人手不足のため、正社員の休みを確保するために週2~3日のパートを募集しているというケースも多く見られます。
パート薬剤師の業務内容
薬剤師は国家資格のため、雇用形態がパートであっても、基本的な業務内容は正社員薬剤師と大きな差はありません。ただし、レセプト処理に関してはパート薬剤師が担当することは多くないため、業務は「調剤業務」「服薬指導」「薬歴管理」の3つが中心となります。
ドラッグストアに勤務するなら、この3つに加えて商品販売、商品の補充や発注、在庫管理を担当する機会もあるでしょう。調剤併設型の大手ドラッグストアでは、薬剤師のほかに登録販売者を置いている場合も多いので、薬剤師は調剤を優先して行うことが多くなります。
パート薬剤師の年収
パート薬剤師の平均時給は、都市部で2,000円前後、人手不足の地方で2,300円~2,500円ほどです。パートで働く場合はボーナスがないものの、時給が高いため働いた分だけ多くの収入を得ることができるというメリットがあります。
例えば時給2,000円で1日5時間、週4日勤務したとすれば1か月で16~18万円程度の収入を得ることができるため、年収は200万円を超えてきます。1日8時間、週5日働くなら、年収は400万円以上にもなります。しっかり収入を得たいなら、扶養の範囲を気にせず働くのも選択肢のひとつでしょう。
パートでチェックしたい「扶養の範囲」
家庭の状況によって、「家族の扶養の範囲内で働きたい」という方もいるはず。そもそも扶養には、自分と配偶者の税金に対して控除が受けられる「税制上の扶養」と、健康保険料や年金などの控除が受けられる「社会保険上の扶養」の2種類があります。順に見ていきましょう。
まず、配偶者控除によって所得税が免除される「税制上の扶養」が適用されるのは、年収が103万円以下の場合となります。一方、年金や健康保険料の負担が免除される「社会保険料の扶養」が適用されるのは年収130万円以下の場合です。年収103万円を超えると所得税の負担が、130万円を超えると年金や社会保険料の負担が発生すると覚えておきましょう。
ただし、2018年1月の税制改正によって配偶者特別控除の適用範囲が拡大され、妻(被扶養者)の年収が150万円以下で、夫(被保険者)の年収が1,000万円(給与収入のみの場合は年収1,220万円)以下であれば、夫の収入額によって決まった額の控除が受けられるようになりました。妻の年収が150~201万円の場合も、夫・妻双方の年収に応じて段階的に控除されます。
扶養の範囲内で働くには
所得税が免除される「年収103万円」を超えないように働くには、1か月の勤務時間を40時間未満に抑える必要があります。例えば時給が2,200円の場合、1日4~5時間程度、週に2日働けば1か月40時間程度の勤務となります。
「出勤日数が少なくて肩身の狭い思いをするのでは」「多く出勤させられて扶養の範囲を超えてしまうのでは」と不安に感じる場合は、「扶養の範囲内OK」と記載されている求人を選ぶとよいでしょう。
ブランクからの復職は「パート」がおすすめ!
調剤薬局やドラッグストアなら、パート薬剤師の求人は豊富にあります。出産、育児、介護などでブランクがある場合、週2、3日から働けるパート薬剤師で復職してみることをおすすめします。パート薬剤師は短時間で勤務でも安定した収入が得られるため、家事や育児と両立したい場合にも適しています。
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