一般的な事務職と比べて時給の高い薬剤師の仕事ですが、所定の研修を受けて「認定薬剤師」になればさらなる収入アップにつながることもあります。認定薬剤師といっても、その種類はさまざま。キャリアアップを考えるなら、認定薬剤師の種類やその資格取得までの道のりについても知っておきましょう。

認定薬剤師とは

 認定薬剤師とは、薬剤師資格を持つ人のなかでも一定期間(新規4年以内・更新3年ごと)内に所定の単位を修得し、研修認定薬剤師制度のもとで認定を受けた薬剤師を指します。

 薬剤師の国家資格に期限はありませんが、医学や薬学は日々研究が進み、それに合わせて業務のために必要な知識も絶えず更新されていきます。薬剤師の第一線で活躍し続けるには、自ら進んで最新の医療知識を学ぶことで高い専門性を保つ必要があるでしょう。

 認定薬剤師の資格を取得すれば、薬剤師として自信を持って働けるようになります。また、その仕事ぶりが上司に認められれば年収アップも狙えるでしょう。就職・転職活動をするにあたっても、認定薬剤師であることが採用の決め手となるかもしれません。求人募集情報をよく吟味し、自分の価値を発揮できる職場を探しましょう。

認定薬剤師にはいくつも種類がある

 研修認定薬剤師制度では、認定を受ける機関を選ぶことで専門分野に特化した知識を学べます。先のキャリアプランを見据えて、実務と関係の深い資格を取得しましょう。

【主な認定薬剤師の種類】

名称認定機関主な活躍の場
日本医療薬学会認定薬剤師日本医療薬学会病院
日病薬病院薬学認定薬剤師日本病院薬剤師会病院(調剤・製剤)
がん薬物療法認定薬剤師日本病院薬剤師会病院
救急認定薬剤師日本臨床救急医学会病院(救急医療)
小児薬物認定薬剤師日本小児臨床薬理学会病院(小児科)・学校
緩和薬物療法認定薬剤師日本緩和医療薬学会病院
研修認定薬剤師日本薬剤師研修センター薬局
漢方・生薬認定薬剤師日本生薬学会薬局
プライマリ・ケア認定薬剤師日本プライマリ・ケア連合学会薬局

※研修内容や取得にかかる費用は、認定機関によって異なります

認定薬剤師の資格は働きながらでも取れる?

 新たに認定薬剤師になるには、認定団体が定める研修を最長4年間で40単位(各年5単位以上)を受けることが条件になります。研修形態には「集合研修・実習研修」「特定講座研修」「グループ研修」「通信講座研修」「自己研修」の5種類があり、薬剤師の仕事をしながらそれらの研修を受けるには、勤務する調剤薬局やドラッグストアの理解と協力が不可欠です。

 また、認定薬剤師になったあとも、3年間で30単位以上の単位を取らなければ認定は失効してしまいます。認定薬剤師として専門性の高い仕事を続けていきたいなら、薬剤師のキャリア支援に力を入れている職場に転職し、自己研鑽に励むのも一つの手といえるでしょう。

研修認定薬剤師になって年収アップを目指そう

 認定薬剤師は、自己研さんに努めた薬剤師の、その実績の保証です。この保証は、患者による薬剤師の選択を助け、患者に信頼と安心を与えるメリットになります。資格の取得にはお金も時間もかかりますが、認定薬剤師の肩書きは仕事をする上で大きな財産となるでしょう。

 もし、認定薬剤師の資格を持っているのにその熱意や存在価値が給与に反映されていないと感じるなら、認定薬剤師の能力を活かせる転職先を探してみてはいかがでしょうか。株式会社ファーマリンクでは、薬剤師の資格を持つ担当者が一人ひとりの希望に沿った求人情報をご紹介しています。まずは希望の就労条件やキャリアプランをお聞かせください。