いざ転職をしたいと思っても何から始めたらよいのかわからず、不安や戸惑いを抱える人も多いのではないでしょうか。転職までに必要な期間や流れをしっかり知ることで、安心して転職に踏み出せるでしょう。
今回は、転職活動を行ううえで必要な期間の目安や転職活動の流れ、転職を効率よく進めるためのポイントを解説します。転職活動の各ステップで必要なアクションや考え方もあわせて知っておきましょう。
転職活動の基本的なスケジュール
転職活動は、大きく以下の4つのステップに分けられます。
- 事前準備(2週間)
- 書類作成、応募(2週間)
- 面接対策、面接(2週間~約1カ月)
- 内定、退職、入社(2週間~約1カ月半)
スケジュールは、正社員の場合、トータルで約2~4カ月程度みておくとよいでしょう。ただし、希望する業種や転職する時期などによって、転職活動に必要な期間は異なります。また、パートの場合は、条件が合うかどうかによっても左右されますが、1~2カ月前後を見ておくとよいでしょう。
転職活動が長期化すると、モチベーションの低下やスケジュール調整に苦戦することが考えられます。上記に示したそれぞれのステップに必要な期間を参考に、転職活動を始める前に綿密なスケジュールを立ててください。
【ケース別】転職活動の期間の目安
転職活動にかかる期間は、在職中と退職後のケースによってそれぞれ異なります。収入面や転職までのスケジュール調整のしやすさなど、それぞれのケースごとのメリット・デメリットを把握し、自分の希望に合った方法で転職活動を行いましょう。
ここからは、ケース別に転職活動に必要な期間の目安や、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
【在職中】転職活動の期間の目安
在職中の転職活動は、面接の日程を調整することが難しく、約2~4カ月程度かかると見積もっておきましょう。長引くため、モチベーションの維持に苦戦する可能性がありますが、転職活動を通じて在籍中の会社の魅力を再認識できることもあります。
また、収入が途絶えることや、転職活動がスムーズに進まない場合を懸念して、在職中に転職活動を進める人も少なくありません。効率よく転職活動を進めるには、しっかりと事前準備を行いましょう。
【退職後】転職活動の期間の目安
退職後に転職活動をする場合は、スケジュールを調整しやすく、在籍中のケースよりも短期間で転職先を見つけやすいでしょう。短期間で転職先を見つけたいなら、現在の職場を退職してから転職活動に取り組むほうがよいかもしれません。
また、退職後に内定をもらった場合、すぐに入社できる点はメリットです。一方で、収入が一時的に途切れる不安や経歴に空白ができることが、デメリットとして挙げられます。
ブランク期間が長期化すると、気持ちが焦った結果、内定が出やすい企業に応募し、希望に合わない職場に入社してしまうケースもあります。退職後に転職活動を行う場合は、自分の希望や希望する転職市場のニーズを事前に把握し、短期集中で進めましょう。
転職活動の流れ1.事前準備(約2週間)
転職活動の事前準備には約2週間かけて、自己分析や情報収集をしっかり行いましょう。特に初めて転職する場合や、異なる職種への転職を検討している場合は、事前準備に時間をかけることがおすすめです。
転職活動を効率的に進めるために、まずは転職をしたい理由を明確にしてください。自分なりの理由を見つければ、希望する職種や条件が明らかになります。
また、転職活動において自己分析も大切です。自分の価値や強みがわかれば、応募書類や面接の場でアピールでき、企業に必要な人材であると判断してもらいやすくなります。
これまでのキャリアや自分自身の強み・弱みを客観的にみたうえで、自分自身の市場価値を意識したアピール方法を考えましょう。転職活動を初めて行う場合や、未経験の業種にチャレンジしたい場合は、業界や職種について研究することも大切です。
次に、求人サイトや転職エージェントなどを通じて求人情報へアクセスし、希望する企業を絞り込みましょう。自身の希望に合いそうな企業が見つかったら、企業のホームページや会社案内などを使って、事業内容や労働環境、企業が求める人材などの情報をリサーチします。事前準備を丁寧に実施することが、転職活動の長期化を防ぐコツでもあります。
転職活動の流れ2.書類作成・応募(約2週間)
エントリーしたいと思える企業を見つけたあとは、履歴書と職務経歴書の作成に移りましょう。これらは、自分の学歴や経歴を伝えるだけでなく、仕事への熱意や自分自身の強みを企業にアピールするための書類です。しっかり時間をかけて作成しましょう。
履歴書は、企業が応募者のキャリアと求人条件がマッチしているかを確認するための書類です。また、記載の仕方や送付方法などから常識や社会性、人となりを判断する材料にもなります。
事前に準備しないで直接記入すると、余白が目立ったり、必要な情報を書ききれなかったりするかもしれません。あらかじめ記載することをまとめて、ゆっくり丁寧に記載しましょう。
職務経歴書には、これまで関わった仕事内容を記載します。職務経歴書は、企業が応募者のスキルや経験値を確認し、求める人材かどうかを判断するのに重要な書類です。企業のニーズを把握したうえで、求められている人物像であることが伝わるように記載しましょう。
書類の準備が終わったら、応募に進みます。履歴書や職務経歴書は、応募先に応じて作り直すことが大切です。転職先を決める際は、求人情報に記載されている内容だけで判断せず、面接で話を聞きましょう。
また、複数社を並行して受けることで、転職活動の長期化を防げます。内定が出る時期も揃いやすいため、各社を比較検討し、より合った転職先を選べるでしょう。
転職活動の流れ3.面接対策・面接(2週間~1カ月)
書類選考を通過したら、採用担当者との面接に進みます。面接が複数回実施されることもあるため、余裕をもって1カ月半~2カ月半かかるとみておきましょう。
面接に慣れていないと、思うように自分をアピールできない可能性があるため、面接対策は入念に行うことが重要です。採用担当者から想定される質問を考えて、スムーズに答えられるように準備しましょう。
また、面接時に伝える転職理由は、ポジティブかつ企業への志望理由と整合性のとれた内容にすることが大切です。立ち振る舞いや言葉遣いからは、人間性や社会性が判断されます。身だしなみをしっかり整えたうえで、面接に臨みましょう。
転職活動の流れ4.内定・退職・入社(2週間〜約1カ月半)
面接に合格すると、企業から内定連絡が入ります。内定が出たあともさまざまなステップがあるため、気が抜けません。在籍中に転職活動を行った場合は、内定が出たあとに退職手続きがあります。気を引き締めて、退職から新しい勤務先への入社へと進んでいきましょう。
ここからは、面接終了後から内定・退職・入社までの転職活動の流れについて解説します。また、複数の企業から同時に内定が出たときの注意点も知っておきましょう。
内定
選考中の企業から内定通知が入ったら、労働条件書を確認して、内定を承諾するかを考えます。内定を受けるかどうかの回答については、1週間程度で締め切りになるケースが多いです。ほかの企業も同時に受けている場合、内定の回答期限に間に合うか確認してください。
もしも他社の選考結果が出るのが内定の回答期限よりも遅くなる場合は、他社に選考結果を早めにもらえないか、内定をもらった企業に回答期限を延長してもらえないか相談しましょう。
現職を続けながら転職活動をしていた場合、内定を承諾するかどうかは、今の職場に留まることも含めて検討することが大切です。内定先で働いている人から話を聞いたり、職場見学をしたりしましょう。
退職
内定を承諾したら、現職の上司に退職の意向を伝え、退職手続きについて相談します。引き止めに合う可能性があるため、退職理由を整理して交渉の余地がない状態にしておきましょう。
民法第627条では、雇用期間の定めのない雇用契約においては、解約を申し出てから2週間が経過すれば退職できると定められていますが、円満退職のためには会社の規定に従うことがベストです。就業規則や労働契約書などを事前に確認し、適切なタイミングで退職を申し出るようにして、円満退職につながるようにしましょう。
また、関係者各位への挨拶や仕事の引き継ぎ、事務手続きは余裕をもって行うことも大切です。退職日から逆算してスケジュールを立てておきましょう。
参考:民法
入社
内定先への入社が決定したら、出勤までに何を準備しておくべきか、企業からの指示に従いましょう。次の書類の提出を求められることもあるため、早めに準備しておくようにしてください。
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- マイナンバーの写し
- 源泉徴収票
- 給与の振込先
また、新しい企業の就業規則も確認することも大切です。わかる範囲で新しい職場で必要な知識を学習することも、入社までの期間に行いましょう。
転職活動を効率的に進めるためのポイント
転職活動が長期化すると、モチベーションが続かなかったり、焦りから希望と違う企業への入社を決めてしまったりする可能性があります。転職を通じてキャリアアップや理想のライフスタイルを手に入れるためには、いくつかのポイントがあります。
納得のいく転職を成功させるために、転職活動を効率よく進めるためのポイントを押さえましょう。
転職の目的を明確化する
自分がなぜ転職したいのかを明確化することで、自分の理想が明らかになるほか、希望に沿った企業を見つけやすくなり、転職先をスムーズに決めることにつながります。
逆に、転職の目的が曖昧なままでは、仕事している未来の自分を想像できないため、転職先がなかなか決まらない可能性があります。
それを回避するためにも、「やりたい仕事に就きたい」「年収をアップしたい」といった具体的な目的をもちましょう。希望条件のなかで、譲れないものと妥協する余地があるものを見極めることも大切です。
条件は広めに設定する
応募する企業の条件はやや広めに設定しておき、複数の求人に目を通し、少しでも気になった企業については研究してみるのもよいでしょう。
また、企業から話を聞いているうちに、自分自身の条件や興味をもつ範囲が変わることも考えられます。条件を幅広く設定し、面接で具体的な話を聞くことで、機会損失を防げるでしょう。
転職エージェントを活用する
初めての転職で何から始めたらよいかわからない場合は、早めに転職エージェントを活用することをおすすめします。希望する業種に精通したアドバイザーが在籍しているサービスを利用するとよいでしょう。
転職エージェントからは、転職活動の事前準備から退職交渉まで、幅広くサポートを受けられるため、転職活動をスムーズに進められます。
転職の流れや効率的な進め方は転職エージェントに相談を
転職活動にかかる期間は、在職中と退職後のケースや希望する業種などが関わっているため、人によって異なります。3カ月~5カ月の余裕をもって進めるのがおすすめです。この記事で紹介した流れを参考に、効率よく転職活動を行いましょう。
初めての転職では、転職の流れや効率的な進め方がわからず、戸惑うことも多いはずです。転職活動中にさまざまなサポートを受けられる転職エージェントに相談することで、納得のいく転職を実現しましょう。