薬剤師として働くなら、教育体制や福利厚生がしっかりしている大手調剤チェーンがよいと考える人は多いでしょう。しかし、大手はどこも同じと考えていると、あなたのビジョンと本当にマッチする薬局を見逃してしまうかもしれません。転職や就職の際は店舗数や売上高にも目を向けて、各薬局の強みを見比べてみてはいかがでしょうか。ここではあなたの街にもきっとある大手調剤薬局を、店舗数、売上高ごとにランキング形式で紹介します。
大手調剤薬局の「店舗数」ランキング
こちらで紹介するランキングは、各企業の決算情報や公式サイトで公開されている数値を比較したものです。調剤薬局やドラッグストアを運営する企業を「店舗数」で並べると以下になります。
- 【大手調剤薬局の店舗数】
- 1. 株式会社アインホールディングス 1,186店 (2019年4月)
- 2. クラフト株式会社 904店 (2019年3月)
- 3. クオール株式会社 807店 (2020年1月)
- 4. 東邦ホールディングス株式会社 773店(2019年3月)
- 5. 総合メディカル株式会社 720店 (2020年1月)
- 6. 日本調剤株式会社 645店 (2020年1月)
- 7. 株式会社スズケン 615店(2019年3月)
- 8. I&H株式会社 544店(2019年12月1日現在)※旧:阪神調剤ホールディング株式会社
- 9. 株式会社メディカルシステムネットワーク 420店 (2019年3月時点)
- 10. 株式会社アイセイ薬局 367店(2020年1月時点)
化粧品事業も好調な「株式会社アインホールディングス」が1位に
1位のアインホールディングスは、売上高、全国の店舗数ともトップを走る企業です。M&Aにより、店舗数を飛躍的に伸ばしています。2位のクラフト株式会社は、関東を中心に「さくら薬局」を展開する企業です。24時間対応の調剤薬局を最初に展開したことでも有名です。
3位のクオール株式会社は、ローソン併設型薬局として知られています。また、ビックカメラ、JR西日本と連携した、新たな店舗展開も店舗数上位の理由に。4位の東邦ホールディングス株式会社は、調剤薬局事業の連結子会社化を進めており今勢いがある企業です。5位の総合メディカル株式会社は、関東地方と九州地方に出店数が多く、クリニックモール型の店舗を展開することにより、地域医療の取り組みを拡大しています。
M&Aで「I&H株式会社」「株式会社スズケン」が各エリアから猛追中
6位の日本調剤株式会社は、各地に幅広くに出店している調剤薬局です。自社製剤のジェネリックを持ち、電子お薬手帳の会員数は24万人を超えています。7位の株式会社スズケンは、かかりつけ薬局をメインとした店舗展開を進めています。
8位のI&H株式会社は、阪神調剤ホールディング株式会社の再編によって2019年2月28日に設立された企業です。関西を拠点に薬局の相互連携を大切にして全国展開を目指しています。9位の株式会社メディカルシステムネットワークは、420店舗のうち約100店舗が北海道に集中する、地域密着型の調剤薬局です。10位の株式会社アイセイ薬局は、薬剤師の初任給が業界トップクラスで、薬剤師の育成力に定評があります。
大手調剤薬局の「売上高」ランキング
大手調剤薬局の2019年3月期の売上高を比較すると以下のようになります。
※株式会社アインホールディングスのみ2019年4月期のデータを参照
- 【大手調剤薬局の売上高】
- (単位:100万円)
- 1. 株式会社アインホールディングス 275,500
- 2. 日本調剤株式会社 245,600
- 3. クラフト株式会社 191,617
- 4. クオール株式会社 144,783
- 5. 総合メディカル株式会社 144,630
- 6. I&H株式会社 103,566
- 7. 株式会社スズケン 94,657 ※保険薬局事業のみ
- 8. 東邦ホールディングス株式会社 93,222 ※調剤薬局事業のみ
- 9. 株式会社メディカルシステムネットワーク 90,706 ※調剤薬局事業のみ
- 10.株式会社アイセイ薬局 59,627
店舗数6位の「日本調剤株式会社」が売上高では2位に
売上高1位は、店舗数もトップの株式会社アインホールディングス。日本調剤株式会社は店舗数では6位に留まっていましたが、在宅医療などの取り組みが功を奏し売上高で2位に。3位にクラフト株式会社、4位にクオール株式会社、5位には病院と連携した地域密着型の医療に取り組む総合メディカル株式会社がランクインしました。
見所は各社の特色を生かした事業
6位には1976年創業の阪神調剤ホールディング株式会社を前身とするⅠ&H株式会社が浮上。7位の株式会社スズケンは、薬局展開のほかに医薬品製造・卸売事業も好調で、グループ全体の年間売上高は2兆円を超えます。8位の東邦ホールディングス株式会社は、高品質のジェネリック医薬品の普及に務め、地域の信頼を獲得しています。
9位は「なの花薬局」を展開する株式会社メディカルシステムネットワークがランクイン。10位の株式会社アイセイ薬局は、介護、福祉サービスを展開しつつ、デイサービス、老人ホーム運営にも進出しています。
就職・転職の際は企業の決算情報をチェック
企業の安定性と将来性を見るうえで、店舗数や売上高は重要な指標のひとつです。店舗数や売上高が伸びており、事業やビジョンに共感できる企業なら、最適な就職・転職先といえるでしょう。
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