薬剤師の転職で重要なのは「キャリアの棚卸」

転職を考える薬剤師さんは「今よりもより良い条件の職場を」とお考えでしょう。
理想の転職を実現するために、まずは自分の「キャリアの棚卸」から始めましょう。

平成28年の薬局数は、東京都:6,604店舗、神奈川県:3,825店舗(厚生労働省「平成28年度衛生行政報告例」)。これはそれぞれにあるコンビニエンスストアの数とほぼ同数で、年々薬局の数が上回る勢いで増え続けています。どこを歩いても薬局を見かけるいま、薬剤師は常に足りない状態です。当然、求人を目にする機会も多いため転職を考える機会も多いかもしれません。では、薬剤師さんが転職を思い立つのはどのような理由からでしょうか。 例えば以下のような理由が多いようです。

薬剤師の転職で重要なのは「キャリアの棚卸」

  • 今よりも高待遇で働きたい
  • 通勤に便利な職場で働きたい
  • ライフスタイルに合った時間帯で勤務したい
  • キャリアアップできる環境で働きたい
  • 雰囲気の良い職場で働きたい

理想を言い出したらきりがありませんが、せっかくの転職ですから多くの理想を叶えたいですよね?
理想の案件には当然多くのライバルが集まります。 そんな中でも自分をしっかりとアピールするために、自分の能力を客観的に整理しておくことが大切です。それが、スキルとキャリアの正確な把握「キャリアを棚卸する」ことです。具体的には、まず自分が今まで薬剤師としてどんな仕事を経験してきたかを書き出してみましょう。

スキル・キャリア(些細なことでもできるだけ多く書き出しましょう)

  • 現在から過去にさかのぼって、経験した職場、任された仕事・ポジション
  • 管理薬剤師の経験がある方は、その業務内容や部下の人数
  • 専門性向上のために取得している資格
  • 自分が得意とする業務、過去に評価されたこと
  • 自分をアピールするのが苦手な方は、周りと自分を比べてみてください。
    少しでも『自分の方が上手かな』と思うことがあれば、十分得意な業務と考えて良いでしょう。

実は一番求められている?『コミュニケーションスキル』

どんな職業でも職場で円滑に仕事を進めるためにコミュニケーション能力は必要ですが、薬剤師はさらに高度なコミュニケーション能力を求められる職業です。
それはどんなサービス業とも違う、「病気」という非常にプライベートな問題を抱えた人に応対する職業だからです。

様々なサービス業で接客のマニュアル化が行われていますが、薬剤師の接客に関しては例外でしょう。 それは、薬剤師が応対する相手が、「病気」という非常にプライベートな問題を抱えた人たちだからです。 薬局へは「欲しい」ものを購入しに来る人というよりは、必要に迫られて来る人がほとんどです。

だからこそ、常に「患者と向き合う」という姿勢を持ち、現場に立つということが重要になってきます。 患者さんには様々な方がいます。病気や薬の相談をしたい方もいれば、あまり聞かれたくない方もいます。明るく応対されるのが辛い人だっています。 そうした繊細な気遣いを経て患者さんとの信頼関係を築くこと、それが薬剤師に求められるコミュニケーションスキルです。 自分が患者さんに対してどのような気持ちをもちながら応対してきたかを考えてみてください。 どのような声かけをし、それは意識的なものだったか? そのことを明確に思い浮かべることができたとしたら、コミュニケーションスキルの棚卸ができている、ということになります。

薬剤師としてスキルアップとなる資格

薬剤師さんがスキルアップのために取得している資格について一部紹介します。

研修認定薬剤師薬剤師さんは生涯にわたって研修などによる自己の向上が求められる職業ですが、その研修実績の保証のひとつとして認められた薬剤師資格です。基礎薬学、医療薬学、衛生学、薬事関連法規・制度などについて、一定期間内に所定の研修を修了し、申請することで認定されます。

認定実務実習
指導薬剤師
六年制薬学生の実務実習の指導者にあたる薬剤師の認定制度で、薬剤師の育成に貢献することができます。

小児薬物療法
認定薬剤師
2012年に制定された新しい認定薬剤師制度です。
小児科領域の医薬品に関わる専門的立場から医療チームの一員として活動することができ、患児とその保護者に対し医薬品に関する指導ができるという認定です。

がん専門薬剤師がんの薬物陽法について専門的な知識を持っているという薬剤師資格です。

神経科薬物療法
認定薬剤師
精神科領域の薬物療法に関して、専門知識を持っていると認定された薬剤師資格です。
近年、精神科の薬物療法を取り巻く問題は大きく、精神科の薬物療法に特化した薬剤師は求められる存在です。

緩和薬物療法
認定薬剤師
主にガン治療において専門的に緩和ケアに従事できると認定された薬剤師資格です。
ホスピスや緩和ケア病棟などで薬の管理や薬物療法に従事することもできます。

腎臓病薬物
認定薬剤師
透析や腎移植を含めた慢性腎臓病診療など、腎臓に関わる薬物の適正な使用に関して一定水準以上の知識・技能を持ち、専門性を活かした学術活動・研究活動の実績を持っていると認定された薬剤師資格です。

スポーツ
ファーマシスト
最新のドーピング防止規則に関する情報・知識を持ち、アスリートだけでなくスポーツをする人全てに薬の正しい使い方の指導を行うことがことができると認定された薬剤師資格です。
2020年の東京オリンピックを目前に控え、アンチ・ドーピングに関わる専門家として需要が高まるとみられています。

糖尿病療養指導師
(CDE)
糖尿病に関する高度で幅広い専門知識を持ち、セルフケアを支援することができる能力を有する医療スタッフとして認定される資格です。
厚生労働省の最新調査では、糖尿病患者数は950万人と過去最多、5年前の調査よりも60万人増加し、今後もこの資格保有者の需要は高まっていくと考えられています。

日本褥瘡学会認定師褥瘡(床ずれ)に関する正しい知識を持ち、褥瘡の高齢者に適切なケアができると認定された医療スタッフの資格です。
今後、在宅医療が推進されることから、薬剤師に取得が望まれる資格のひとつです。

キャリアカウンセラーを有効利用して正確にスキルを把握する

在籍する会社の業務をこなしながらキャリアの棚卸をするには、時間的余裕がないという方もいらっしゃるでしょう。
キャリアカウンセラーの手を借りれば、短時間で正確なスキルの棚卸をすることができます。

スキルの把握、特にコミュニケーションスキルについては自分で正確に把握することが難しいものです。
就労しながらキャリアの棚卸をするには時間的余裕がないという方もいらっしゃると思います。
そこで、キャリアカウンセラーを利用し、効率的、かつ客観的に自分のスキルを把握するという方法もあります。
ファーマリンクのキャリアカウンセラーは、薬局勤務経験者です。
面談を通してあなたのスキルを把握します。自分では気づかない長所が見るかった場合は、PRポイントに追加することができます。弱点が見つかった場合には、研修などを利用してスキルアップを図ることも可能です。
ご登録いただいた薬剤師さんにはスキルアップのための研修制度も完備しております。
登録後のスキルの向上も把握していきますので、長くご登録いただくほど、よりご要望に沿ったお仕事をご紹介することも可能になります。

ファーマリンクの「充実の研修制度」についてはこちらをご覧ください

最終更新日: 2024.10.07