薬剤師が復帰するには、まずブランクの間に遅れてしまった知識を勉強し直すことが必要です。
どの職種にもいえることですが、中でも薬剤師は日々勉強をし続ける必要がある仕事です。定期的に開発・発売されている新薬について、保険制度や法律の改正についてなど、学習した知識を業務の上で活かしていく必要があるからです。つまり、ブランクの間に収集できなかった情報は、必ず復帰前に頭に入れておかなければ業務をこなすうえで支障が出てくる恐れがあるということです。
情報のアップデート
効率的な情報収集をするには、製薬会社や薬剤師向けのポータルサイトなどが参考になります。他にも、薬剤師向けの業界紙では、日々変わっていく新薬や法律・制度、薬剤師業界の現状といった情報が更新されていますので、それらを追っていくことで、ブランクの間にどのような変化が起こっていたかを掴むことができます。また病院や各種求人サイトでは、薬剤師のための研修会や講座を開催しているところがいくつもあります。研修会に参加することで、遅れてしまった分の知識だけでなく、より実践的な知識を学び、現役で働いていた時以上のスキルアップを目指すこともできます。
資格の取得
また現役以上のスキルアップを目指すなら、資格取得もひとつの方法です。復帰先の職場に対して、学習意欲を分かりやすく示すことにもつながり、復帰がしやすくなるでしょう。薬剤師が取得したい資格として、登録販売者の資格、がん専門薬剤師や薬物療法専門薬剤師といった各種専門薬剤師、公益財団法人日本薬剤師研修センターの運営する研修認定薬剤師などの資格などがあります。取得することで、薬剤師にとっての必要な能力や適性を備えていることを客観的に証明することができます。
制度を利用
職場によっては、ブランクのある薬剤師のために支援制度や研修制度を設けているところもあります。そういった制度を利用するのも良いでしょう。制度の整っている職場はもちろんのこと、他にも復帰する職場を選ぶポイントがあります。それは「自分のペースで復帰できるかどうか」ということです。患者さんの数が多い、多岐にわたる診療科の処方箋を扱う、といった総合病院における門前薬局のような職場は、高いレベルの知識やスキル、体力が求められやすく、ブランクを抱えた人が薬剤師業界に復帰するのは困難です。対して、内科以外のクリニックや診療所の門前薬局であれば、扱う医薬品の種類が比較的少なくなります。薬剤師に復帰する前には、このような職場状況をある程度理解しておくのが得策です。
新しい知識を学んだり、変わってしまった環境に慣れたりと、ブランクから復帰して働くのは簡単なことではありません。そうした中でブランクを解消するためには、何よりも仕事に対しての熱意が必要です。どのように働いていきたいかということを見据え、そこに向けて努力を重ねていきましょう。