派遣の薬剤師の場合、保険には派遣社員を雇用している派遣会社を通して加入することになります。

社会保険とは「健康保険」「厚生年金保険」「労災保険」「雇用保険」「介護保険」を総称したものです。労災保険と雇用保険は労働保険とひと括りに呼ばれることもあります。派遣の薬剤師にこれらの保険が適用されるためにはそれぞれ条件があります。

健康保険と厚生年金保険、介護保険が派遣社員に適用されるための条件として、労働者の年齢による判定、働く期間による判定、労働時間・労働日数による判定の3点があります。

まず、年齢による判定ですが、健康保険については75歳未満、厚生年金保険が70歳未満、介護保険が満40歳以上65歳未満であることが条件です。

次に働く期間です。健康保険、厚生年金保険、介護保険の条件は同じで、2ヶ月以内の期間で臨時に雇用される場合、その期間を満了してなお引き続き使用されることになれば、満了した翌日から適用になります。日雇い派遣の場合は、1ヶ月を超えて引き続き使用されれば、その翌日から適用されます。季節的な業務に派遣されるのであれば、最初から4ヶ月を超える労働契約がされている場合に入社時から適用されます。臨時的な業務に派遣されるのであれば、最初から6ヶ月を超える労働契約がされている場合に入社時から適用されます。

最後に、労働時間・労働日数です。1日または1週間の所定労働時間が、その事業所で働く社員の4分の3以上あれば適用となります。もしくは、1ヶ月の所定労働日数が、その事業所で働く社員の4分の3以上あっても、健康保険、厚生年金保険、介護保険が適用されます。

また、平成28年10月からこれらの社会保険が適用される基準が変わり、
・週20時間以上の労働
・月額の賃金がが88,000円以上(年収106万円以上)であること
・勤務期間が1年以上あると見込まれること
・学生ではないこと
・従業員総数が501人以上の企業に雇用されていること
これらすべてに該当する場合に、健康保険、厚生年金保険、介護保険の適用がされます。なお、従業員総数が500人以下の会社については、平成31年9月30日まで現行基準の判定になります。

続いて労働保険ですが、労災保険は年齢や労働時間にかかわらず派遣社員全員に適用されます。雇用保険については、派遣社員に適用されるための条件として、年齢と雇用期間の判定があります。

まず年齢の判定ですが、65歳以上で新しく雇用された場合には雇用保険の適用がありません。65歳未満で雇用された人が65歳になった場合は「高年齢継続被保険者」として適用があります。

次に雇用期間の判定ですが、1週間の労働が20時間以上かつ、雇用される期間が31日以上の場合、雇用保険が適用されます。

一般派遣の場合、1つの派遣元との雇用契約が31日未満であっても、雇用契約と次の雇用契約との間隔が短く、その状態が通算して31日以上続く見込みがある場合は、雇用保険の適用があります。この場合には、派遣先の会社が変わっても判定には関係ありません。

最終更新日: 2024.09.27