昨今、医薬分業に伴い調剤薬局も増え、常に人材が求められている状況です。
市場規模が拡大
医薬分業が進んだことで、医師は医療に専念し、処方・服薬指導は調剤薬局に任せるといった形になってきました。 現在、調剤薬局の市場規模は大きく拡大しています。 これには、高齢者人口の増加に伴い、大手薬局チェーンの出店が加速したことや、医薬品卸やドラッグストアなどの隣接業種が調剤事業を強化したこと、他にも商社やスーパーなどの異業種が参入したことによる市場競争の激化なども一役買っています。 すでに調剤薬局の数は過剰であると言われ、将来的には減少していくという予測もありますが、2019年の発表によると調剤薬局の数は、2017年の59,138件に対し、2018年は59,613件と引き続き増加傾向(平成30年度衛生行政報告例の概況・薬事関係)となっています。
薬剤師の需要動向
調剤薬局の数が増え続ける一方で、薬剤師の人員は不足している傾向にありました。 その原因のひとつは、薬剤師資格の条件が変わったこと。 以前まで薬剤師の資格を取るためには4年制の薬学部を卒業することが条件でしたが、法改正により6年制の薬学部の卒業が必要となりました。 4年制から6年制に移行していた、その間の2年間は新卒薬剤師がいない時期となり、薬剤師不足が深刻になりました。 また、地方の薬剤師不足はさらに深刻です。 理由は、都市部に比べると地方は住みにくさを感じる点、大手チェーン薬局の店舗数拡大、ドラッグストアの調剤併設化、高齢化社会による在宅医療の普及によって薬剤師の活躍の場が薬局以外にも多様化していることなどが挙げられます。 しかしここ数年、1万人を超える薬剤師国家試験合格者を輩出する年もあり(2016年,2019年)都市部においては徐々に薬剤師不足が解消されつつあるようです。
薬剤師の年収はどれくらい
また給与に関しての現状ですが、平成30年における調剤薬局に勤務する薬剤師の平均年収は約400万円から600万円ほどが目安となります。 加えて、地方ではひとりでも多くの薬剤師を獲得しようと高い給与を提示する求人も多くあるので、より良い待遇で働ける可能性があります。 薬剤師の給与は、大手だから、都市部だから、という理由で好待遇と判断することはできません。 就職の条件として給与を優先するのであれば、「とりあえず大手」という考え方では希望に沿った結果が出ないこともあるでしょう。