今の職場を辞めたいと考えていても、次が決まっていないとなかなか退職に踏み切れないものです。実際、次がない状態で退職すると、どのようなことが起こり得るのでしょうか。

本記事では、薬剤師の主な退職理由や次がない状態で仕事を辞めるメリット・デメリットについて解説します。また、次がない状態で退職したいと考えている人に向けて、具体的な対処法をお伝えします。

次がないけど辞めたい! 薬剤師の退職理由とは?

「現在の職場を辞めたい」と考える薬剤師は決して少なくありません。退職を希望する理由は人それぞれですが、多くの薬剤師が共感できるポイントもあるでしょう。薬剤師の主な退職理由を知ることで、自身の考えを整理でき、これからについても対処しやすくなるかもしれません。

はじめに、薬剤師の主な退職理由について解説します。

待遇面に不満がある

薬剤師の退職理由として、待遇面に対する不満があげられます。特に薬剤師の給料は地域や会社の規模によって決まることが多く、同じような業務内容にもかかわらず他社よりも給料が少ないといったケースでは不満を抱きがちです。

また給料が同じでも、昇給しにくかったり休暇が少なかったりすると、不満につながることもあるでしょう。そのほか、会社の評価基準が不明瞭で努力してもなかなか評価されないと、前向きに仕事に取り組めなくなってしまいます。

人間関係がうまくいかない

人間関係がうまくいかずに退職を考える薬剤師も少なくありません。薬剤師は同じメンバーと長時間勤務するケースが多く、一度人間関係が悪くなると修復するのが困難です。チェーン展開をしているドラッグストアなどなら異動希望を出すこともできますが、小規模薬局や病院では異動は難しいかもしれません。そういったケースでは、新しい職場へと転職せざるを得ないでしょう。

また上長や先輩との相性が悪いと、働き続けることに負担を感じる場合もあります。特に薬剤師経験の浅い人は、調剤業務に対して悩みや不安を抱えがちです。上長や先輩薬剤師に相談したくても人間関係がうまくいっていないと、悩みを打ち明けられず自身で抱え込んでしまう可能性があります。

精神的・肉体的負担が大きい

薬剤師は多忙にもかかわらず、スピードや正確性も求められるため、精神的・身体的に大きな負担がかかります。総合病院内の薬局や近くに複数のクリニックがある門前薬局では、多くの処方せんに対応しないといけません。患者さんをあまり待たせすぎないよう、スピーディーに業務をこなす必要があります。

また人材不足の職場では、一人ひとりの業務量が多くなり、身体的な負担も大きくなりがちです。さらに薬剤師の業務の性質上、1つのミスが患者の治療や命に悪影響を与えかねないため、調剤ミスは起こせません。そのプレッシャーが精神的な負担となって、退職を検討する方もいます。

ルーティンワークでやりがいが感じられない

薬剤師の業務はルーティンワークが多いため、やりがいを感じられずに退職を検討する方もいます。

皮膚科や整形外科など門前の病院に診療科が一つしかないと、同じような処方を応需することが多くなってしまい、薬剤師としての知識やスキルに偏りを感じてしまいます。反対に、処方数が多すぎて業務をこなすだけで精一杯の職場なら、スキルアップができていないように感じ、「このままでいいのだろうか」と悩んでしまうこともあるでしょう。

職場のフォロー体制が整っていない

病院や薬局では、一包化調剤や散剤・水剤調製、軟膏の混合調製や服薬指導など、患者さん対応を含めて多くの業務を同時にこなさなければなりません。そういった状況にもかかわらず、スタッフ同士の協力や連携が取れていないと、うまく業務をこなせずにストレスを感じてしまうこともあるでしょう。

また研修やフォロー体制など、職場から薬剤師としての教育を十分に受けられないと、スキルアップができずにモチベーションが下がってしまうケースもあります。

ライフスタイルの変化

人間関係や待遇面など職場への不満以外に、ライフスタイルの変化によって今の職場から退職せざるを得ない状況もあるでしょう。

たとえば、家族の介護をする場合には、フルタイムの仕事が難しくなり、家族が住む家からでも通える職場に転職するケースなどが考えられます。そのほかにも、結婚・出産にあたり家事育児との両立ができるように、時短制度が整っている会社や産休・育休の取りやすい職場への転職を考える方も少なくありません。

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次がないけど大丈夫? 薬剤師が仕事を辞めるメリット

次がない状態で仕事を辞めることに対して、抵抗を感じるかもしれません。しかし、実はメリットもあります。たとえば、次の職場が決まる前に仕事を辞めておくことで、精神的にも時間的にも余裕が生まれて転職活動に専念できることは、メリットといえます。

実際、仕事を続けながら転職活動をしていると、職場見学や面接などのスケジュール調整に苦労しがちです。また転職先を見つけてから退職することを決めてしまうと、「早く次の職場を見つけないと」といった焦りにつながり冷静な判断ができなくなってしまいます。

先に仕事を辞めておくことで、転職活動のスケジュール調整が行いやすくなり、焦ることなく転職先を選べるでしょう。

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次がない状態で薬剤師が仕事を辞めるデメリット

次の職場が決まっていない状態で仕事を辞めることにはメリットがある一方、いくつかのデメリットがあります。

仕事を辞めてから無職の期間が長引いてしまうと、貯金を切り崩して生活を送ることになり、経済的な不安を抱える可能性があります。一般的に転職期間は2?3か月程度とされていますが、その期間の生活費用を貯金できていないと、食費や光熱費などを切り詰める必要があるかもしれません。

勤務先のない期間が生じると、健康保険や年金の手続きなどの公的手続きが必要になることもあります。また、無職の期間が長くなるほど職歴がブランクになってしまい、転職活動のときに企業から評価されにくくなる可能性があります。

薬剤師が仕事を辞めたいけど次がないときの対処法

仕事を辞めたいと思ったときこそ、一度冷静になり適切に対処することが大切です。辞めたい理由を明確にして希望に合った転職先を見つけることで問題が解決する場合もあれば、状況によっては一度休職することを検討する必要があるかもしれません。

また、次がない状態で仕事を辞めることが不安なときには、派遣薬剤師として勤務することもオススメです。ここからは仕事を辞めたいけど次がなくて悩んでいる方に向けて、適切な対処法をご紹介します。

辞めたい理由と転職の目的を明確にする

「今の職場を辞めたい」と考え始めると、退職することが目的になりがちです。そういったときこそ、本当に退職で問題が解決するのか考え直してみましょう。

思考を整理するためにも、「辞めたい理由」と「転職の目的」を書き出してみるのがオススメです。冷静になって自己分析することで、転職先に求める条件や働き方が明確になり、次の職場を探しやすくなります。

周囲の人に相談してみる

次がないのであれば、焦って仕事を辞めるのではなくまずは周囲の人に相談してみるのも一つの方法です。給料や労働環境に対して悩んでいる場合、上長や会社に意見をあげることで状況が改善することもあるかもしれません。特に努力に対して見合った評価をされていないときには、自身の業績や貢献度を具体的にアピールし、待遇の見直しを提案しましょう。

また、職場環境や業務内容について悩みを抱えているようなら、上司や同僚などに相談し、アドバイスをもらうことも効果的です。客観的な立場から意見をもらえると、自身の状況を冷静に分析できるようになるかもしれません。

無理をせず休職する

薬剤師としての責任感やプレッシャーから心身ともに疲れているときには、無理をせずに休職を検討することも大切です。一定期間休むことで心身が回復し今の職場でも再び働けるようになるかもしれません。

また心身ともに不調のときは判断能力が低下しがちです。そういった状況で転職など大きな決断をしてしまうと、適切に判断ができておらず後悔する可能性もあります。自身の現状や今後の働き方について冷静に分析・判断ができるようになるまで、休職ができないか信頼できる上長に相談しましょう。

転職エージェントに相談する

「今の職場を辞めたいのに次の仕事が見つからない」と悩むときは、自分1人で転職先を探そうとするのではなく、転職サイトや転職エージェントを利用してみましょう。数多くある求人情報の中から自身の希望に合った職場をピックアップしてもらえるため、効率よく転職先を探せます。また転職サイトや転職エージェントに登録することで、未公開の求人情報が得られる可能性もあるでしょう。

転職エージェントでは、転職をするべきか悩んでいる人へのアドバイスや転職への不安に対する相談など、転職を始める前段階におけるサポート体制も充実していることが多いです。薬剤師の転職市場を熟知している転職エージェントからアドバイスをもらうことで、自身が今後どのように行動すればよいか明確になるかもしれません。

派遣で働いてみる

先述したとおり、転職先が見つからず無職の期間が長くなってしまうと、転職活動において不利になる可能性があります。そういったときには次の職場が見つかるまでの間、一時的に派遣薬剤師として勤務するのがオススメです。派遣薬剤師として勤務していれば職歴にブランクができず、転職活動を円滑に進められます。

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仕事を辞めたいけど次がないときは薬剤師の転職エージェントに相談を

次がない状態で仕事を辞めることは、精神的・時間的な余裕が生まれ転職活動に専念できるメリットがあります。しかし、その一方で経済的な不安を抱えたり、公的手続きを自身で行わないといけなかったりとさまざまなデメリットがあるため注意が必要です。

次の職場が決まっていない状態で「今の職場を辞めたい」と思ったときには、辞めたい理由と転職目的と明確にし、上長や同僚など周りの人に相談するとよいでしょう。また、次の職場が見つからずに困っている場合は、転職サイトや転職エージェントの活用がオススメです。

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